ご自宅での介護
自宅介護
生活環境
寝ている事が多くなる徐々に増える老犬猫にとっては居心地のよい場所は大切な場所です。老犬猫の状態に合わせて適したものを用意しましょう。
1:マットやベッド
体重で沈み込みすぎないような適度な弾力がある物を用意します。 柔らかすぎると足を取られたり、起き上がれなくなることがあります。
寝たきりになったときは床ずれ防止に低反発のマットなどがあると良いでしょう。
マットやカバーは爪や足が引っかからない素材を選びましょう。
2:置き場所
「目の届く場所」、「家族が感じられる所」、「ドアやテレビの近くは避ける」、「夏は涼しく冬は暖かい」などを考慮して配置しましょう。
3:危険な場所は防止する
老犬猫は視力や聴力が低下します。 テーブルなど角があるものはクッション性のある物でカバーしたり、電気のコードなどはつまずき転んだり、骨折する可能性があるのでできるだけ床に置かないようにして下さい。階段、玄関など落ちる可能性のあるところは防止ゲートやスロープなどをつけるようにして下さい。
慣れ親しんだ部屋は視力や聴力が低下してもある程度適応ができるため、家具の配置換えをしないようにして下さい。
食事
1:どんなフードを食べているか?回数は?
給与量や栄養が十分満たされているか、ふやかしやすいか、食べずらくはないかなどを確認します。
また、1日1回では老犬は負担になることがあり食べ残すことがあります。必要に応じて回数をふやします。
2:器の形、材質
食べづらそうにしている場合、それを 改善することが重要です。
容器がずれたり、倒れたりする場合は 滑り止めをつけたり、容器を重くする。
角に残ってしまう場合は底が丸い物を 選ぶとよいでしょう。
ステンレスの容器とスプーンはカンカンと甲高い音が出ます。
認知症、てんかん、前庭疾患がある犬が聞くと驚いたり、発作を誘発することがあります。
その時はシリコンやプラスチックに変えたりするなど配慮しましょう。
3:食べている時の姿勢
ふらつく、足が開いていく場合、器の高さが食べずらいかもしれません。
器の高さは食事台の底辺が肘関節の 少し下あたりにくる高さが良いでしょう。
(首から背中ほぼ水平で頭を自然に下げ鼻先が底に垂直になる程度)
ふらつく、足が開いていく場合には足元には滑り止めを敷くと良いでしょう。
4:食べている時の様子やどんな食べ方をしているか?
勢いがある、たべたそうなのに進まない 固形物が食べられない、こぼす。舐めるように食べネチャネチャになる、口から出て飛び散る、隅に残る、鳥のようにつついて食べる。
- ふやかししてみる。
- ペースト状のフードを混ぜる
- 手作りのトッピングを乗せる。
これらをすることによりドライフーがまとまりやすくなり食べやすくなります。
また、中心を高くする、一口大にまるめる、棒状にするなど食べやすくなります。
5:完食までにかかる時間
「基本的に20分以内」
食事をするだけでも体力は思った以上に体力を消耗します。 食べて欲しい思いが逆に疲れさせてしまっています。 これでは動物のみならず、飼い主さんの 負担が増え介護疲れの要因になります。
嚥下機能の低下で喉につまる危険性があり注意が必要です。大量のフードが口に入る可能性がありつまらせることがありますので一口ずつ様子を見ながら与えてください。
6:食事介助の基本形
「食事介助の基本は正面ではなく横から」
介助者はしっかり床に座り、横から犬の上半身を介助者の太ももの上に乗せ行います。 両手が使える体勢のため食器をもちながらスプーンで介助できます。与えている時は腹部を圧迫しないように注意が必要です。
認知症状がみられる場合は、食べる、飲むという信号がうまく伝達されず食いつくまで時間がかかる場合があります。
フードを横から少量口に入れたり、水で口元を濡らすことでスイッチが入ります。
「食後は残渣が残りやすいので、口腔ケア」
食後はや口腔ケアや水を飲ませたり、シリンジで口を洗います。
完全寝たきり状態の場合
寝たままシリンジやスプーンで食事を与える場合は、頭部のみ高くことは避け、必ず平坦な場所でゆっくり与え、飲み込みを確認してから次をあたえます。
徘徊
徘徊は認知症状の一つで飼い主さんの負担を増やしてしまいます。
狭い場所の入り込んでしまい、バックする事ができない状況が増えます。「まさかこんな所に!」と信じられない所で動けなくなることがあります。危険地帯を排除する必要があります。
目をはなす際は円形サークルやビニールプールなどを使うことで安全に動くことができます。
- 壁面の高さは犬の頭の高さ以上
- 作りは頑丈に
- 格子状の時は中に保護材を設置
※倒れたり、頭、足が挟まることがないように注意してください。
睡眠
夜鳴きには“要求吠え”と“認知症鳴き”があります。
要求吠えは解消されれば泣き止みますが、認知症鳴きは続くことがあります。 夜鳴きの多くは要求吠えの可能性があります。
認知鳴きの場合は病院にご相談下さい。
1:要求吠えで鳴いている理由
- お腹が減った、喉がかわいた。
- 排泄したい
- 暑い、寒い
- さびしい 等
2:要求の傾向を記録しましょう
時間や何をしたら鳴きやんだなどを記録し、昼間の様子や睡眠時間なども一緒に記録しておくとよいでしょう。
また、サプリメントを使用することで夜鳴きが改善されることがあります。
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